2006年10月16日

代理出産

50代の女性が、がんで子宮を摘出した30代の娘とその夫の子供を代理出産した。
今回のような「生殖医療」がらみのニュースを見るたび、とても複雑な心境になる。

わたくしは子供を欲してはいないけれど、身体の機能的に妊娠出産が不可能、でも自分の血を分けた子供が欲しいという人の気持ちがわからなくはない。
純粋な「愛」に基づいた代理出産で、代理母も頼む側も、お互いに覚悟や話し合いがしっかりできていれば代理出産を認めてもいいんじゃないかなぁという思いはある。

一方、わたくしは一人の癌患者として、キャンサー・メイトたちの旅立ちを見送ってきた。
人の死や残された方々の思いに触れる機会が、たくさんたくさんあったのです。
妊娠出産は女性の身体に大きな負担を与える。
代理出産する人が亡くなる可能性はゼロじゃないので、手放しで「代理出産、賛成!」という気持ちにもなれない。
今回のケースも、代理母は文字通り命がけだったようだし、すでに閉経してた身体をホルモン剤などで妊娠に対応できるようにしたため、出産後、かなり強い更年期症状が出たとテレビで見た。
代理出産が認められることで、女性が「出産する機械」みたいな扱われ方をするようになったら、それも大問題だ。

海外では、生まれた子供がかわいくなってしまい、代理母が引き渡しを拒否するケースがあった。
公表されている代理出産が10例に満たない日本国内でさえ、すでにトラブルは起きている。
姉妹間で代理出産したケースは、その後、絶縁状態になっているそうだ。
代理母にも、依頼する人にも、生まれた子供にも命があり、感情があり、意思があるので、いろいろなことが起きる…。

2003年(だったと思う)に、日本産科婦人科学会は代理出産を禁止している。
が、日本の現行法では禁止されていないので、と申しましょうか、まだ法整備されていないのが現状。

2001年頃、代理出産に関する学会の方針が出そうな動きや、法律ができそうな動きがあった。
どうも「禁止」になりそうだったのである。
その時は、わたくし、盛大に吼えた。
禁止にするのは簡単だけれど、案を決める話し合いが充分行なわれているとは思えなかったし、そもそも決める場に、自分では出産ができなくなった人、代理出産にかけるしかない当事者の姿や声が見えなかったのが気にいらなかった。
うさぎの本宅でも意見を募集し、代理出産でしか子どもを持つことができない当事者のご意見もたくさんいただいた。
そのログはYour Voice内に残っている。

あれから5年。
未だに法律は整備されていない。
いったい何をもたもたしてるんでしょうね?
テレビで「政治家は、代理出産の法案を論じても票に結びつかないため、積極的でない」というコメントを見て、「払った税金分の仕事をしろや!」と、がるがる状態。
「子供はもちろん孫もいるような人たちには、代理出産に望みを託すしかない患者の気持ちなんてわからないんだろうな〜」と思ってみたり、「子宮はもちろん、卵巣も摘出して母親もいないわたくしには、今回の代理出産を語る資格なんてないのかな」と思ってみたり。
どうも気持ちが落ち着きません。


↓ 応援ありがとうございます!
☆☆☆人気blogランキングに参加しています☆☆☆


ラベル:代理出産
posted by ぴょんぴょん at 23:59| Comment(1) | Medical | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。