2006年04月18日

癌患者へのお見舞いは? 〜6th Anniversary〜

患者が入院して、その家族や親戚、知人などが病院へ行って患者に会うことをひとくちに「お見舞い」と言いがちですが、わたくしは、それはちょっと違うと思っています。
患者家族など保護者的立場・保証人的立場の方は、病院へ行けばもちろん患者と面会しますが、洗濯や買物など患者の身の周りの世話の一部分を引き受ける用もあるので、「お見舞い」ではなく「サポート」でしょうか。
わたくしがここで述べている「お見舞い」は、友人知人や親戚などが「具合はどうですか?」と面会に来ることを指しています。

わたくしは、癌治療の中で手術しか受けていないので、抗癌剤治療や放射線治療で入院している時の患者の状態は体験していません。
そんな限られた条件、しかもわたくしだったらの話ですが、参考にしていただけると幸いです。

●デイルームに行けない状態の患者さんへはお見舞いに行かない
最近は入院期間が短縮される傾向にあり、具合が良くなればさっさと退院させられます。
つまり、入院している間は具合が悪いんです。
術後、ベッド上安静の時は、身づくろいもままなりません。
顔は蒸しタオルで拭いただけ、髪の毛ぼさぼさ、口はうがいしたたけということもあります。
尿管が入っていることもあり、その場合は、管の先に尿を溜めるバッグがついています。
そのようにヨレた姿を見られたい人って、いるんでしょうか?
家族が身の回りの用事をしに来るならともかく、単なる見舞い客だったら遠慮して欲しいと、わたくしなら思います。
痛かったり、動けなかったりするのは、長い期間ではないのです。
術後約1週間で抜鉤(ばっこう・抜糸)が済むと、痛みも軽くなり、いろいろなチューブも取れてきて、だいぶ楽になります。

ほとんどの入院病棟には、テーブルや椅子を配置したデイルームと呼ばれる広間があります。
一般家庭で言うとデイルームはリビングルームで、病室は寝室・私室にあたり、面会はデイルームで行なうのが原則です。
デイルームに行けない患者さんは、「動けない=具合が悪い」んです。
病状が重篤で動けない患者さんは病室で面会するしかありませんが、術後で動けないからデイルームへ行けない患者さんへのお見舞いは、いかがなものでしょう?
患者さん自身が「来て欲しい」と望んでいないなら、術後1週間程度はそっとしておいてあげるべきと考えます。
そもそも、まだ抜鉤が済んでいない時期の患者は自分のことで精一杯で、見舞い客に会いたい人は少ないと思いますが。

●誰のためか何のためか、考えて見舞って欲しい
うさぎの本宅の「ぴょんぴょんのがんになっちゃった!顛末記」に記してありますが、わたくしは入院中、同室の患者さんの見舞い客に大変悩ませられました。
大挙して押しかけてきて大騒ぎをし、わたくしの安静はありませんでした。
重篤な状態で動けない患者さんだったため、病室で面会するのは理解できたのですが、大部屋に入院していると、患者は一人ではないんです。
その部分をちゃんと理解できていない人には、お見舞いに来て欲しくありません。

患者さんの子供やご主人、兄弟を除き、幼児連れや男性のお見舞いは、たぶん迷惑です。
婦人科病棟なので、子宮摘出となり、子供を見たい気分ではない患者さんもたくさん入院しているんです。
他の患者の心境にも充分配慮してくださいね〜。
子供の健康を考えても、免疫力の落ちている患者がいるかもしれないことを考えても、幼児の見舞いは不適当です。

他の患者さんのところへ来た男性の見舞い客を気にする患者もいます。
自意識過剰と言ってしまえばそれまでですが、寝室に入り込んで来た知らない男にパジャマ姿を見られるようなもので、なんだかな〜とも思いますよ。
見舞いに来るほうは気にしなくても、患者側は気にするかもしれない事柄は結構多いんです。
大部屋では、患者同士の人間関係も発生します。
はた迷惑な見舞い客が来る患者さんは、他の患者から良く思われません。
患者の立場を悪くしないように、よろしくお願いいたしますね。

●「見舞い一番乗り」争いで満足するのは見舞う側だけ
新しく入院された方の元へ、「お見舞い一番乗り」を競うかのようにやってくるお友だちや親戚の人もお見かけしました。
患者さん本人ではなく、ご主人などに「お世話になったから」と見舞いに訪れる知り合いの方もいらっしゃいました。
そんな見舞い客が帰った後で疲れた様子を見せる患者さん、「こんな姿を見られたくなかった」と涙ぐむ患者さんもいましたっけ。
患者の心を慰めたり力づけるのが、本来のお見舞いの姿だと思います。
保身や見栄を考えた見舞いは、患者にとって迷惑以外の何ものでもありません。

「患者が心配」というより、「元気そうなのを見て自分が安心したい」という見舞い客もいます。
そうなると、患者は無理して元気そうに振舞ったり、場合によっては見舞い客を慰めたりしなくてはなりません。
本当にカンベンしていただきたいと思いました。

癌になったのは、患者が悪いんじゃありません。
でも心のどこかに、「迷惑や心配かけちゃってごめんね」という、抱く必要のない罪悪感を持っているんです。
そのため、体調が悪かったり人に会いたくない気分でも、「帰ってくれ」とはなかなか言えません。
自分が我慢すれば…と無理をして、見舞い客が帰ってから具合が悪くなったなんてこともザラに聞く話です。
くれぐれもご注意を。

●気の利いたお見舞い品?
時々、患者さんの友人の方から「お見舞い品は何がいいでしょうか?」「患者さんはどんな話が嬉しいですか?」と質問されます。
「病人相手にどんな話をしたらいいかわからない」とおっしゃる方もいます。
ぶっちゃけ、「だったら行くな!」と思いますね。

人間は、一人一人性格や家族構成が違い、興味の方向性も異なります。
そして、わたくしはその患者さんのことをまったく存じ上げておりません。
患者さんのことを実際に知っているのに、わたくしのような赤の他人に「どうすれば?」と聞かなければならない状況なら、そんなに深いお付き合いではないのでしょう。
わざわざ行って、お互いに気まずい思いをすることはないと思います。

面会して何をどうしたいのか、それを患者さんが喜ぶのか、明確なビジョンが描けないなら、お見舞いに行かないほうがいいんじゃないでしょうか?
見舞わないのが「お見舞い」になる場合もあるんです。

●病院へ足を運ぶだけがお見舞いではありません
わたくしは、患者さんが会いたいと希望している場合を除き、友人知人のお見舞いには行きません。
手術で治療終了の患者さんは、会える状態になったらけっこうすぐに退院なさってますし、抗癌剤治療中の方は具合がイマイチで、人に会いたい気分じゃないかもしれませんから。
そのかわり、カードや手紙を送ります。
病院によっては、お見舞いメールの受付をしてくれるところもあるんですよ。
手紙類は好きな時に見られるし、何回も見られるので、わたくし自身はいただいて嬉しかったです。

●花と食べ物は困りました
わたくしの場合、お見舞いでいただいてすごく困ったのは、花と食べ物でした。
同室に抗癌剤治療中の方がいたため、もしかしてわたくしの花の匂いで気持ち悪くなってるんじゃないか、本当は嫌でたまらないのに「ぴょんぴょんの花がクサい」と言えなくて困ってるんじゃないかと気を遣い、びくびくものでした。
同じ病室ではありますが、即席のルームメイトって感じで、相手のことはよく知らないんです。
トラブルの元になるかもしれない物品は、存在しないのが一番でしょう。
わたくしはサポートしてくれる家族がいない状態だったので、はじめは具合が悪くて水替えもままならず、こんなに大変で気を遣うものは持って来ないで欲しいと、本気で思いました。

食べ物も、同室の方に気を遣うので困りました。
腸閉塞を起こして禁食だった患者さん、抗癌剤治療中で食べられなかったり、匂いでヘロヘロになってる患者さんと同じ病室だったんです。
朝昼晩に出される病院の食事でさえも、気を遣ってデイルームに持って行って食べている状況でした。
お見舞いで食べ物をいただくと、まず「おすそ分けした方がいいのかな」と気を遣います。
おすそ分けしても食べられない患者さんもいらっしゃるのですが、一人にあげて一人にあげないのは角が立つだろうしで、これまた、こんなに大変で気を遣うものは持って来ないで欲しいと、本気で思いました。
抗癌剤治療中で食欲がなく、「これが食べたい」と患者さんが自ら希望しているならどんどん持って行ってあげてください。
その他の場合は、癌+糖尿病、癌+高血圧などで食餌療法を受けている患者さんもいることですし、安易に食べ物を持って行くのはナンセンスです。

それに病室って、物を飾ったり置いたりする場所はけっこう少ないんですよ。
わずかに置ける場所があったとしても、カップやティッシュなど、本当に必要な身の周り品が占めていたりするので、どうしても何かくださるなら、わたくしはお金がありがたいです。
病院内で使えるプリペイドカードもいいんですが、みなさんからいただくと溜まってしまい、かつ、院外の買物には使えませんから、痛し痒しでした。
現金やプリペイドカードはちょっと…という時は、毎日でも数日置きでも都合がついたらでいいので、手紙でも送ってくださったほうが、わたくしはありがたいと思うだろうし、洗練されていると思います。


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posted by ぴょんぴょん at 15:41| 癌術後6年目のメッセージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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