2011年02月25日

緩和ケア病棟へのお見舞い その3

義父の目が開いた。
遠くを見ているようなまなざしだったけど、「ぴょんぴょんです、わかりますか?」と大声で尋ねたら、ハッとした様子があり、こちらを確かに見てコクンと小さく頷いた。
次の瞬間、また、いびき。

少しすると身体を起こそうとし、わたくしのほうを見て少しニヤッと笑い、「○○○○じゃないか」と何度も繰り返して言った。
その言葉が、どうしても聞き取れなかった。
わたくしは、義父の手を握り続けるしかなかった。
うなぎの差し入れなんて、とてもとても無理だった。

ナースの説明では、義父の状態はあまり良くなく、Drは近々一度、家族と面談したいと言っているそう。
いざという時の相談をしたいのだろうと思った。
家族がそばにいない時に呼吸停止したらどうするかとか。

「お父様は病状があまり良くありません。でも、血圧は下がっていないので、主治医は『今すぐ云々ということはなさそうだ』と言っています。面談は来週にでもいかがですか?」とナースに言われたわたくしは、「今日帰ったら夫に伝えます。お返事は、夫から電話させます」と答えた。
義父に残された時間は、あまりないように見えた。
会わせたい人がいたら、今週末にでも来てもらわないと間に合わないかもしれない。

帰り際、もう一度、義父の手をぎゅうっと握って「また来ます」と言った。
義父は言葉を発しなかったけれど、病人とは思えない力で握り返してきた。
その手は柔らかく、温かかった。

午後6時頃、病院を出て帰路に着いた。
これからしばらくは、毎日のように病院と家の往復になるかも。
いや、「なるかも」ではなく、毎日来よう。

最後のわがままがあれば、聞くために。

最後の望みがあれば、叶えるために。

そして、看取るために。


わたくしが義父にしてあげられることは、もうそれくらいしかないのだ。

しばらくの間、忙しくなりそうです。
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posted by ぴょんぴょん at 23:59| Medical | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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