この叔父とわたくしには血のつながりはない。
叔父の奥さんが、わたくしの父の妹なのである。
だから、わかりやすく言うと、叔母の旦那さんが、がん告知を受けたってこと。
「おおごと」と言えばそうなんですが、普通なら、「大変ですね、お大事にね。私に何かできることがあれば言ってね」で終わる話かと。
ところがっ!
叔母夫婦には子供がいない。
そして、叔母は認知症と診断されて、介護保険でデイサービスに行っている。
叔父は、そんな叔母を一人で面倒見てきたのである。
で。
叔父は、入院中の自分の世話や、老人の介護施設に一時的か永久にか入所することになるであろう叔母の世話を、わたくしに頼みたいと言って来た。
世話をすると言っても、わたくしがご飯を食べさせたり、入浴介助をするわけではなく、たぶん、役所の手続きとか、銀行の支払いとか、書類仕事とか、時々様子を見に行くなどなんだろうけど。
一番大きな負担は、彼らの身元保証人にならなければならないってところですかね。
わたくしは常々、子供のいない叔母夫婦の今日は、同じく子供のいないわたくしの明日の姿だと思ってきた。
だから、できることはやってあげたいし、たまにお見舞いに行くくらいなら快諾できるんですが…。
今回の叔父の依頼は、叔父や叔母の生命・生活に、わたくしが法的な責任を持つことになる。
もしも叔父が死んだら、その後の叔母の人生全般に責任を持つことになるだろう。
望まずして、「母親」がもう一人できちゃうようなものなのである。
そして、この「母親」から、わたくしは養育も何もしてもらってない。
これからただひたすらこちらが尽くすのみになるのである。
わたくしは人間できちゃいませんので、博愛主義になれません。
なんとも荷が重い。
気も重い。
照れ隠しのせいか、ものすごく口の悪い叔父の罵詈雑言に耐えるのも疲れた。
そして、お金の問題がある。
叔父の入院費や、叔母の生活費などで、わたくしがある程度のお金を預からなければならない。
もしも叔父がそのまま亡くなってしまったら、相続が発生する。
叔父の財産の相続権はわたくしにはない。
相続権のある人がお金のことでごちゃごちゃ言い出したら困る。
わたくしがお金をもらいたいのではなく、「もっとあったはずだ。ぴょんぴょんが盗ったのではないか」と言われたりしたら心外だなと思うわけです。
今までの経験だと、やらない人ほど文句を言うのだ。
ああ、いやだ、本気でいやだ。
と言ってもいられないので、叔父に条件を出した。
ぴょんぴょん「言いにくいんだけど、叔父さんと叔母さんの相続権がある人全員に、叔父さんの病気の話をして。そして、ぴょんぴょんにお金などの支払いをしてもらうんでいいかと聞いて。私以外に叔父さんたちの面倒をみたいって人がいるなら、その人にお任せします。みんながぴょんぴょんでいいって納得してくれたなら、私にできる限りのことをします。お金のことで揉めるのは本気で勘弁して欲しいの」
叔父「話をデカくしたくないんだよ。お前がやってくれれば済むことだから。それに、ごちゃごちゃいう奴なんていないだろう?」
いや、きっと、いるって!
叔父は、もうすぐ出る精密検査の結果、余命告知を受けるかもしれないとか、体力的に手術できませんと言われることを全く考えていない。
この人、75歳。
手術適応にならないこともあるんじゃないかと、わたくしは密かに憂いている。
なので、とにかく、わたくしは、万一の時に揉めたくない。
もしも揉めたとしても、叔父自身は棺桶に入っちゃってるんだから、ちっとも困らないのである。
困るのは、そう、わたくしだけなのである。
叔父の言動に年寄りのズルい計算高さが見えたため、わたくしは心を鬼にして言い募った。
みんなに連絡して、筋を通して!
じゃなきゃ、わたくしは何もしません、できません!
叔父は渋々、相続人全員に連絡を取ることを約束してくれた。
わたくしは、できればそんな大役をしたくないので、「自分がやります!」という人が出てきてくれるといいなと思っている。
たぶん、みんな逃げちゃうんだろうけど。
叔母の実家の家長であるわたくしだけは、逃げられないんだよな〜。
つくづく、損な役回りだと思う。
せいぜい、看取って送った仏様方にしっかり守っていただくことにいたしましょう。
それにしても…。
今年の2月に義父を送り、やっと肩の荷を下ろせたと思ったのに。
またなんですか (>_<。)
わたくしが今までに最後のお世話させてもらった人々は、祖母、母、父、義母、義父の5人。
これに叔父と叔母が加わるのかぁ。はぁぁぁぁぁ。
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